基本となるシュナウザーの姿や性格などをしっかりと保ちながら、小さく改良されたミニチュア・シュナウザー。
「おじいちゃんみたい」と親しまれていますが、チャームポイントの眉毛から覗く瞳はツヤツヤで透明感があり、子供の眼のような可愛さも持っています。
今回はミニチュア・シュナウザーの原産国や名前の由来などの歴史について紹介していきます。
ミニチュア・シュナウザーの原産国はドイツ
日本で人気のミニチュア・シュナウザーはドイツ生まれの犬種です。主産地はヴュルテンベルグやバイエルン地方と考えられています。
シュナウザーは何種類いるの?
ミニチュア・シュナウザーを含む「シュナウザー」(Schnauzer)と呼ばれる犬種には、「ジャイアント」「スタンダード」「ミニチュア」の3種類があります。
スタンダード・シュナウザーを改良し、小さくした犬が「ミニチュア・シュナウザー」です。
小さくするために交配した犬種は「アーフェン・ピンシャー」や「プードル」「ミニチュア・ピンシャー」などです。
ミニチュア・シュナウザーの名前の由来
ミニチュア・シュナウザーのベースとなったスタンダード・シュナウザーは、ピンシャーから生まれました。ピンシャーにはスムースとワイアードの2種類の毛並みがあり、ワイアードの個体である「ワイヤーヘアード・ピンシャー」がミニチュア・シュナウザーの元とされています。
1879年にワイヤーヘアード・ピンシャーとして紹介された犬がインターナショナル・ドッグショーで優勝し、その犬の名前が「シュナウツァー」だったことが「シュナウザー」の名前の由来という説が一説です
またドイツ語で口髭の意味を持つ言葉が「シュナウツ」ということから来ているという説もあります。
ミニチュア・シュナウザーの呼び方は一緒じゃないの?
ミニチュア・シュナウザー(Miniature Schnauzer)は、原産国のドイツでは「ツべルクシュナウツァー(Zwergschnauzer)」と呼ばれています。
ツべルクはドイツ語で「小人・ミニチュア・ドワーフ」の意味をもちます。シュナウツはドイツ語で「あごひげ」、シュナウザーは「あごひげを生やしたやつ」と言うことになります。
日本には、昭和30年代にアメリカから輸入され飼われるようになりました。そのため、ドイツ語の呼び方ではなくアメリカの呼び方が広まったと言われています。
ミニチュア・シュナウザーの歴史
シュナウザーはドイツの中でも、とても古い歴史をもつ犬種です。
15~16世紀の絵画や彫刻には、すでにミニチュア・シュナウザーのもととなる、シュナウザ―の姿が描かれています。
1879年にドッグショーに初登場したシュナウザーですが、その20年後の1899年には「ミニチュア・シュナウザー」として参加することになります。
アメリカのAKC(アメリカン・ケネル・クラブ)でも、1933年からは両犬種を別々に扱うようになりました。
ミニチュア・シュナウザーが作られるきっかけ
ミニチュア・シュナウザーは、農場を荒らすネズミなどの小動物に悩まされていた人たちが「小回りがきく、害獣駆除犬を作り出そう」と、スタンダード・シュナウザーを元にして、作り出された小型犬だと考えられています。
ミニチュア・シュナウザーは働き者
ドイツやオーストラリアの農場ではシュナウザーは人間のパートナーとして働きました。
ネズミなどの害獣退治はもちろん、家の警備をしたり、農作物の運搬するときには護衛係としても活躍していました。
お金や貴重品を体にくくりつけ「移動金庫」の役割も果たしていたそうです。
ドイツ生まれアメリカ育ち
フランクフルト・アム・マインで固定化されたものの、犬種としてはまだまだ不安定でした。今のような完成形になったのは、アメリカに渡ってからだと言われています。
スタンダード・シュナウザーの見た目と性質をそのまま小さくすることは、とても難しく時間を要したそうです。
原産国としてはドイツですが、「アメリカ育ちだ」と言う人も多く、事実アメリカでは原産国であるドイツよりたくさんのミニチュア・シュナウザーが飼育されています。
国際畜犬連盟やジャパンケンネルクラブでは、犬の生存目的や形態・用途によって10グループに分けています。
ミニチュア・シュナウザーは「第2グループの作業犬グループ」に分類されており、原産国のドイツでも同じです。
しかしアメリカのAKC(アメリカン・ケネル・クラブ)では、ミニチュア・シュナウザーは「テリア」のグループに分類されており、この違いにより情報に差が出てしまうことがあります。