「フレブル」の愛称で親しまれ、バッドイヤーと呼ばれる大きく立った耳、クシャっとした愛くるしい顔のフレンチ・ブルドッグ。
筋肉質でがっちりとした体格をもつフレンチ・ブルドッグは、小さくても勇ましい姿と温厚な性格が人気です。
フレンチ・ブルドッグの毛色にはどんな色があるのでしょうか!? フレンチ・ブルドッグの公認カラーや模様について、またフレンチ・ブルドッグを選ぶときの注意点などをご紹介します。
フレンチブルドッグの毛色5種類をご紹介
フレンチ・ブルドッグの被毛は短毛で、フワフワなイメージが無いことからシングルコートと思われがちですが、「オーバーコート」と呼ばれる上毛と「アンダーコート」と呼ばれる下毛の二重構造の「ダブルコート」です。
ダブルコートを持つ犬種は、秋から冬にアンダーコートが抜けて季節に適したコートに生えかわるので、短毛のフレンチ・ブルドッグも抜け毛は多いほうです。
公認の毛色は、一般社団法人ジャパンケンネルクラブ(JKC)によって、スタンダードをたもち、先天的異常を持つ個体が生まれるリスクを減らすことなどを目的に、犬種ごとに基準が細かく決められています。
現在「公式に認められているフレンチ・ブルドッグの毛色は3種類」です。フォーン、パイド、ブリンドルのみとされています。
フレンチ・ブルドッグの人気の毛色や模様の種類を詳しくご紹介します。
ブリンドル(黒ベースにホワイト系の指し色)
「ブリンドル」は、黒をベースに明るい差し毛のホワイトやベージュ色の縞模様が入った毛色です。
フレンチ・ブルドッグのオーソドックスカラーであるブリンドル。「虎毛」「タイガーストライプ」などと表現されることもあります。実際には虎ほどハッキリとした縦縞ではありませんが、虎のような模様というとイメージとして捉えやすいでしょう。
パイド(白ベースに黒や茶の模様)
「パイド」は、白い毛色のベースに、黒系(ブリンドル)や、茶系(フォーン)の斑模様が顔や体に入った毛色のことを指します。
牛柄のようなパイドの斑模様は、小さいものより大きいものが良いとされています。
クリーム(単色の白、クリーム色)
「クリーム」は、全身が薄いクリーム色から濃いクリーム色までの毛色のことを指します。
薄いクリーム色のほうが人気です。「ホワイト」とも呼ばれる個体もありますが、純白はかなり少なめです。
また、人間の肌の色に近いため、大きくて丸い目と口を開けて笑っているような顔が、人間の赤ちゃんのようだと人気です。
フォーン(茶ベース)
「フォーン」とは、子鹿という意味からきており子鹿のような明るい茶色のことを言います。
フォーンの毛色は目の周りや口の周りが黒くなりやすく、顔だけが黒いフォーンの場合を「ブラックマスク」と言います。その顔が歌舞伎役者の顔に似ていることから、「歌舞伎フェイス(kabuki face)」と呼ばれ、日本だけでなく海外でも人気があります。
タイガーブリンドル
血統書としてはブリンドルになりますが、ブリンドルの中でも体全的に明るい毛色のことを「タイガーブリンドル」と呼びます。
差毛が派手なタイガーブリンドルは、野生的に見えワイルド感が増すのでフレンチ・ブルドッグのかっこ良さを際立たせます。
フレンチブルドッグの模様の種類
フレンチ・ブルドッグには、さまざまな模様があることも特徴です。フレンチ・ブルドッグが大好きな人たちの間では模様の話がよく出てきます。
全ての犬種に現れる模様ではないため、犬を飼っていてもその模様の呼び方を知らない人も多くいます。フレンチ・ブルドッグらしい模様の種類をご紹介します。
片パンチ
「片パンチ」とは、パイドの毛色で片方の目の周りにだけ色が入る模様のことを言います。また、呼び名はついていませんがパンダのように両方の目の周りに模様がついたフレンチ・ブルドッグもいます。
エプロン
「エプロン」とは、黒の毛色のブリンドルに入る模様で、胸に白い柄が入ることを言います。言葉のとおりエプロンをしているように見えるので、エプロンと呼ばれています。
ソックス
「ソックス」もエプロンと同じで、見た目からの由来です。黒の毛色のブリンドルに入る模様で、足元の白い差し柄のことを言います。白い靴下を履いているように見えることから、ソックスと呼ばれています。
アイライン
「アイライン」は毛色に関係なく、全てのカラーに存在します。目のふちに生える黒い差し毛のことで、アイラインを引いたような目に見えることからこのように呼ばれています。
フレンチ・ブルドッグの知っておきたい毛色に関する豆知識
犬は犬種によって、毛色の名前や毛色による性格の差、毛色の変化に違いがあります。
フレンチ・ブルドッグは、毛色だけでなくいくつかの模様が存在しますが、カラーによって性格が違うと言うことはあるのでしょうか? また、毛色はずっと同じ色なのでしょうか?
フレンチ・ブルドッグの毛色を選ぶときに注意する点や、知っておきたい豆知識をご紹介します。
毛色はどうやって決まる?
犬の毛色は全て、数種類の遺伝子の影響によって決定されます。
ベースの色だけでも、白、黒、茶色のさまざまなバリエーションがあります。白から黒にかけての幅広いモノトーンのバリエーションやその色の濃さ、さらにその上に乗ってくる白い毛の遺伝子、黒い毛の遺伝子、茶色の毛の遺伝子、なにも色をつけないということも全て遺伝子によって決まります。
ここからさらにグラデーションをつける遺伝子が追加され、眉の部分だけ白くなったり、胸の部分が白くなったり茶色くなったりもします。柄や模様をつけたり、ベースの色が退色し変化していくような遺伝子もあります。
ところどころに色の濃い毛や薄い毛が入る「差し毛」と呼ばれるものなどが加わり、犬全体の毛色を作り出しています。
毛色による性格の違い
毛色によって性格に影響が出る犬種も存在します。フレンチ・ブルドッグの場合、「パイド」はボストン・テリアの血を濃く継いでいるため、少し気性が荒いところがあると記されています。
しかし、フレンチ・ブルドッグのブリーダーや飼い主さんは「さほど変わらない」という印象のようです。どんな毛色であっても、温厚で優しく理解力に優れ、遊びやスポーツが大好きです。
フレンチ・ブルドッグを選ぶときの注意点
2歳~4歳という若さにもかかわらず、突然虹の橋を渡ってしまうフレンチ・ブルドッグが増えています。悲しい思いをする前にお迎えする際に注意したい点をご紹介します。
これからフレンチ・ブルドッグをお迎えするひとは、「どんな毛色同士を交配させたのか」「遺伝性疾患はないか」などをしっかり業者側に確認しましょう。
実は「ブリンドル」の毛色を掛け合わせることで、色素の強い健康な子が誕生する確率が上がります。父母や祖父母にブリンドルを掛けあわせているかどうかは、とても大切です。
人気色を作り出すため、クリーム×クリーム、フォーン×クリームなどの組み合わせを見ることがありますが、内臓疾患や先天性疾患を持つ子孫が生まれてくる可能性が高いので、事前に確認することをおすすめします。
全ての個体が必ずしも発症するとは限りませんが、家族に迎え入れるときはその点も含めて考えましょう。
毛色の種類は少ないが模様との組み合わせが豊富
ブサカワ犬を代表する犬種のフレンチ・ブルドッグ。公認の毛色は数としては少なめの3種類です。
しかし、ベースになる色とフレンチ・ブルドッグならではの模様の組み合わせで、いろいろなカラーが楽しめます。
毛色によって、きりっとカッコいいフレンチ・ブルドッグに見えたり、優しく可愛らしいフレンチ・ブルドッグに見えたり、とかなり印象が変わるのでお気に入りの毛色や模様を探してくださいね。