コーギーが気をつけたい病気や怪我とその対処法や予防法

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コーギーが気をつけたい病気や怪我とその対処法や予防法

  • 2021月11月05日更新
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長い胴と短い脚、いつも笑っているような「コーギースマイル」と呼ばれる愛らしい表情をみせてくれるコーギー。前からみても後ろからみても、どちらからみても可愛くて癒されます。

もともと牧羊犬であったこともあり、筋肉質で運動能力が高い犬種です。
そんなコーギーが楽しく元気に暮らせるように、痛みや病気などには少しでも早く気づいてあげたいですよね。

コーギーがかかりやすい病気や現れやすい症状、予防法や治療方法などをご紹介します。

椎間板ヘルニア

コーギーは胴が長いため、もともと腰に負担がかかる体型です。

食欲が旺盛でフードなどをよく食べるため肥満になりやすく、胴長短足なので体重が増えると腰にさらに負担がかかり、椎間板ヘルニアなどの腰の病気にかかりやすくなります。

椎間板ヘルニアは、脊椎の中でクッションの役割をする椎間板に負荷がかかり、椎間板内の髄核が飛び出してしまう状態のことをいいます。これが脊髄などを圧迫してしまい、麻痺や痛みを生みだします。

椎間板ヘルニアは一度発症してしまうと長期にわたり治療が必要となります。

椎間板ヘルニアの予防法

予防策として、足腰に負担のかかるフローリングなどの滑りやすい床材は避けましょう。また、足の裏の毛が伸びていると滑りやすくなるため、足の裏の毛は短くカットすることも大切です。

ジャンプや過度な運動も、足腰に負担がかかるため注意が必要です。

肥満は椎間板ヘルニアの発症率を高くする要因です。太りすぎにならないように、こまめな体重管理を心がけましょう。

椎間板ヘルニアの治療法

治療には大きく分けて内科的治療と外科的治療があり、症状の強さに応じて治療法は異なります。

痛みだけの場合は内科的治療になり、安静にすることや薬での治療になります。非ステロイド性消炎鎮痛薬などの薬を使用します。

麻痺が出ていても軽度の場合は、薬で治療することで軽減することも多いです。プレドニゾロンなどのステロイドを使用します。薬の治療で回復できない場合には手術を行うこともあります。

重度の麻痺が出ている場合は手術が必要になる場合があります。手術は脊髄が圧迫を受けている部分の背骨をけずり、圧迫を取り除きます。

変性性脊髄症(Degenerative Myelopathy:DM)

日本では特にウェルシュコーギーでの発生が多く見られています。痛みを伴わずゆっくりと麻痺が進行する脊髄の病気で、症状は9~11歳頃から現れ、後ろ足から麻痺が始まります。

「日本国内にいるコーギーの何%が変異遺伝子を持っているのか」を調べるために、ある大学で研究が行われています。122頭の健常なコーギーを調べたところ、日本国内のコーギーの48.4%がDMを発症するリスクがあることが明らかとなりました。

外傷や炎症といった原因がないまま、徐々に神経が衰えていきます。初期には片側の後ろ足を散歩中に擦って歩く、段差を踏み外すなどの症状が認められます。徐々に病気が進行すると両後肢の麻痺が徐々に進行し、前足や首にも麻痺が現れます。

また、自分で排泄することが出来なくなります。さらに進行すると、病変は脳幹まで達して呼吸困難や嚥下困難となり死に至ります。通常、これらの症状は2~3年くらいかけて進行します。

人間の筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病指定疾患の病気ととても似た病気だと考えられています。

変性性脊髄症の予防法や治療法

DMで神経が減少するメカニズムは解明されておらず、治療法も見つかっていません。

予防法も治療法も特効薬もなく、病気と付き合っていくしかありません。しかし、飼い主として出来ることはあります。

筋肉をなるべく衰えさせないことが、病気の進行を遅らせる重要な要素です。効果的なのは犬用の車椅子の利用です。筋力のためだけでなく、精神的なストレスの軽減も期待できるので、愛犬に合った運動器具を使うことも視野に入れてください。

現在のところ、生きている間に確実にDMと診断する方法はなく、確定診断するには死後に脊髄組織の病理組織学的検査を実施するしかありません。
しかし、アメリカの研究グループでDMの原因となる遺伝子異常が発見されています。これから更なる研究が進み、DMの治療ができる日がくることを心から願っています。

股関節形成不全

大型犬に多い病気の印象ですが、コーギーも発症例が多い病気です。

股関節形成不全は、高い確率で遺伝的要因で発症すると考えられています。また、遺伝だけではなく肥満や激しい運動などの環境的要因でも発症します。

骨盤と大腿骨が正しい位置におさまらないことで亜脱臼を繰り返し、股関節に異常をきたす病気です。

股関節形成不全になると、腰を振るように歩く「モンローウォーク」と呼ばれる歩きかたになったり、足を引きずる、痛がる、運動を嫌がるなどの症状が現れてきます。お座りをするときには、横座りをする傾向にあります。

股関節形成不全の予防法

肥満は股関節形成不全の原因になります。コーギーは太りやすいため注意が必要です。

また、遺伝的な素因を持っていても生活に気をつければ、股関節形成不全の症状が出ないですむケースもあります。

コーギーの四肢を守るために飼い主ができることは、フローリングなどの滑りやすい床で過ごさせないことです。つるつるとした床は歩行しにくいため、股関節だけでなく膝や腰にも悪影響をおよぼします。

カーペットやマットを敷いたり、滑り止め加工をするなどの対策を練って、愛犬が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。

股関節形成不全の治療法

治療は年齢や症状などで異なりますが、大きく分けて「内科的治療」と「外科的治療」があります。

内科的治療は、運動や食事で体重を管理したり、鎮痛剤や理学療法を使い痛みを抑えます。内科的治療では改善がみられない場合は「切除関節形成手術」「骨盤3点骨切り術」「人工関節置換手術」などの外科的治療をおこなうことがあります。

コーギーは股関節形成不全になる可能性が高く、70%が遺伝的要因と言われる病気のため、親犬や祖父母犬の健康状態がはっきりしているブリーダーさんから、コーギーを迎えることも予防策のひとつです。

尿管結石

泌尿器疾患の発症は犬種全体で6.0%なところ、コーギーは9.7%ととても高めです。その中でも尿管結石は注意したい病気です。

腎臓から尿道の間に石ができてしまう病気で、尿管や膀胱に石ができた場合は激しい痛みを伴います。さらに怖いのは腎臓に石ができる腎結石です。痛みがないので気付かないうちに症状が進行し、腎不全になることがあります。

尿量が減少したり、逆に増えたり、尿の色が濃くなった場合は尿管結石を疑います。重症化すると尿毒症などの命にかかわる深刻な病気です。

尿管結石の予防法や治療法

予防法や治療方法として、水分を多く摂取させるようにします。定期的な排泄をうながして、膀胱の中に細菌が増えないように心がけます。

獣医師の指導のもと、処方食を与えたりウェットタイプのフードで摂取する水分量を増やすといった対策をします。抗生剤や消炎剤などの投薬治療を行うときもあります。

排泄姿勢をとったときから排泄が終わるまで、普段から量や色などを確認しておくことが大切です。

コーギーに長生きしてもらうために飼い主ができること

コーギーに長生きしてもらうためには、飼い主さんの日ごろのチェックがなにより大切です。

この他にも、進行性網膜萎縮症(PRA)、てんかん、皮膚無力症(エーレルス・ダンロー症候群)、皮膚筋炎、フォンビルブランド病(vWD)にもなりやすい傾向があります。

コーギーがかかりやすい病気や症状を事前に把握しておけば、予防につとめたり気づくことも増えます。また、病気の発見が早ければ、治療の選択肢が増えたり進行を遅らせたり、治せる病気もあります。

普段からコミュニケーションをとって、コーギーの可愛い笑顔を守ってあげましょう。

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