ラブラドール・レトリーバーが気をつけたい病気や怪我とその対処法や予防法

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ラブラドール・レトリーバーが気をつけたい病気や怪我とその対処法や予防法

  • 2016月01月14日更新
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優しさにあふれ、人間にも他のペットたちにもフレンドリー、頭が良く従順で大人っぽい部分と、遊びが大好きで無邪気な子供っぽい部分の両面持ち合わせている、そんな魅力たっぷりのラブラドール・レトリーバー。

愛犬が楽しく元気に暮らせるように、痛みや病気などには少しでも早く気づいてあげたいですよね。ラブラドール・レトリーバーがかかりやすい病気やその病気の前兆を知ることで、防ぐことができるかもしれません。

ラブラドール・レトリーバーが、かかりやすい病気やなりやすい症状、予防法や治療方法などをご紹介します。

股関節形成不全

ラブラドール・レトリーバーの代表的な病気である股関節形成不全は、遺伝的要因で発症すると考えられています。また、遺伝だけではなく肥満や激しい運動などの環境的要因でも発症します。股関節形成不全の発症の割合は、70%が遺伝的要因、残りの30%は環境要因と言われています。

骨盤と大腿骨が正しい位置におさまらないことで亜脱臼を繰り返し、股関節に異常をきたす病気です。

股関節形成不全になると、腰を振るように歩く「モンローウォーク」と呼ばれる歩きかたになったり、足を引きずる、痛がる、運動を嫌がるなどの症状が現れてきます。お座りをするときには、横座りをする傾向にあります。

股関節形成不全の予防法

遺伝的な素因を持っていても、生活に気をつければ股関節形成不全の症状が出ないですむケースも少なくありません。

ラブラドール・レトリーバーの四肢を守るために大切なことは、フローリングなどの滑りやすい床で過ごさせないことです。つるつるとした床は歩行しにくいため、股関節だけでなく膝関節にも悪影響をおよぼします。カーペットやマットを敷いたり、滑り止め加工をするなどの対策を練って、愛犬が過ごしやすい環境を整えてあげましょう。

また、肥満も股関節形成不全の原因になります。ラブラドール・レトリーバーは食べることが大好きなため、太りやすい点にも注意が必要です。

股関節形成不全の治療法

治療は、ラブラドール・レトリーバーの年齢や症状などで異なりますが、大きく分けて「内科的治療」と「外科的治療」があります。

内科的治療は、運動や食事で体重を管理したり、鎮痛剤や理学療法を使い痛みを抑えます。内科的治療では改善がみられない場合は「切除関節形成手術」「骨盤3点骨切り術」「人工関節置換手術」などの外科的治療をおこなうことがあります。

股関節形成不全は、ラブラドール・レトリーバーの病気の中でも多くみられる病気です。

遺伝性が高いといわれているため避けられないと思いがちですが、発症しても軽度のうちに適切な治療や対処をすることで穏やかな生活を送ることができます。

ラブラドール・レトリーバーは股関節形成不全になる可能性が高いため、症状として現れていなくても、骨の形成が完成する1歳~2歳までの間にレントゲン検査を受けることをお勧めします。

外耳炎

ラブラドール・レトリーバーは垂れ耳のため通気性が悪く、耳あかが溜まりやすい構造になっています。

耳の衛生状態が良くないと、細菌やマラセチアが繁殖し炎症を起こします。外耳炎は耳あかや細菌などによって起こったり、耳ヒゼンダニが寄生することによって起こります。

外耳炎を発症すると、ベトベトした臭いのある耳あかが溜まります。かゆみや痛みをともなうため、うしろ足で耳をかいたり、頭を左右に振ったりする行動が見られます。

外耳炎の予防法

外耳炎は、定期的に耳の掃除をすることで予防でき早期発見できます。

お散歩やお出かけから帰ってきたあとや、シャンプーなどで耳が湿っているときは、犬用の耳クリーナーなどで耳の中まで綺麗にしてあげましょう。

外耳炎の治療法

治療は、まず耳の洗浄をします。

細菌や真菌の繁殖が原因の場合は、抗生物質や抗真菌剤を使います。耳ヒゼンダニの寄生が原因の場合は、駆除薬を投与します。

アトピー性皮膚炎の場合は、散歩中や生活空間にかゆみの原因となるものがないかをチェックしてみましょう。

外耳炎は慢性化しやすく、一度治っても再発しやすい病気なので、根気よく治療を続けることが大切です。

胃捻転

胃捻転(いねんてん)は胃拡張胃捻転症候群ともいわれ、ラブラドール・レトリーバーに多くみられる病気です。胃捻転は大型犬で胸の深い犬種に多くみられる病気で、対処が遅れると命に関わる疾患です。

胃捻転とは字の通り、胃が捻じれる事によって発症します。胃にガスが大量にたまり、拡張してしまうのが原因であると考えられています。

一度に大量の食べ物や水を摂取したときや、食後に激しい運動をすることで発症することがあります。

胃拡張胃捻転症候群を起こすと、落ち着きがなくなりウロウロとしはじめます。急に腹部が膨れて、ゲップや吐き気が起きますが嘔吐することができず、多量のよだれを垂らします。

処置を行うことができないまま時間が経過すると、血圧の低下や頻脈、呼吸が荒くなったりショック状態に陥るケースもあります。

胃捻転の予防法

予防方法は、一気に大量の食事をさせないことです。食事は数回に分けて与え、ガスが溜まるのを防ぎます。また、食後すぐは激しい運動や散歩は避けましょう。

胃捻転の治療法

胃捻転の治療法は、捻じれてしまった胃を元の状態に戻すため口からチューブを挿入したり、太い注射針を胃に刺すなどをして、胃の空気を抜いて減圧処置をします。

ショック状態があらわれている場合は、静脈への点滴やステロイドの投薬、酸素吸入などの治療を行います。また、胃を元に戻して再発を防ぐために、開腹手術を選択することもあります。

悪性リンパ腫

ラブラドール・レトリーバーは悪性腫瘍ができやすい犬種で、悪性リンパ種という全身性のガンは6~8歳くらいの中高齢以降での発生率が高い傾向にあります。

犬の体内にはリンパ球という細胞がめぐっています。その細胞が増殖して悪性腫瘍となったのが「悪性リンパ腫」です。

リンパ球は全身に分布しており、リンパ腫も全身様々なところに発生し、発生した場所によって症状が異なります。

悪性リンパ腫は、治療を行わないと死に至る病気です。無治療の場合の平均余命は1~2ヵ月とされています。

悪性リンパ腫の予防法

悪性リンパ腫になる原因は今のところ不明です。そのため、リンパ腫を早期発見するために飼い主としてできることは、普段からスキンシップをとり、愛犬の健康なときの体を覚えておくことです。

日々のブラッシングやシャンプーのときなどは、手のひらで撫でるように全身を触りましょう。手にデコボコを感じたら、小さいものでもしこりの可能性があります。

体の表面の場合は触って感じることもありますが、体内にできてしまった場合は画像診断でしか発見できませんので、何か異常を感じたらすぐに動物病院で診察を受けることが大切です。

悪性リンパ腫の治療法

悪性リンパ腫は治療をしないと死に至る病気ではありますが、抗がん剤治療が確立しているので、進行度合によっては治療を進めやすい病気とも言えます。

悪性リンパ腫の場合、外科的治療は効果がないため行いません。病気の進行度によって内容が異なりますが、積極的な治療を行う場合は基本的に抗がん剤治療になります。あわせてステロイドの内服を勧められることもあります。

病状によって期待できる効果が変わってくるので、リンパ腫と診断された場合は「どのような治療をするのか。金額がどのくらいかかるのか」などを、獣医師さんとしっかり相談してから治療にのぞみましょう。

愛犬と長く過ごすために

ラブラドール・レトリーバーに長生きしてもらうためには、飼い主さんの日ごろのチェックがなにより大切です。

この他にも、甲状腺機能低下症、白内障、アトピー性皮膚炎、ワープラー症候群にもなりやすい傾向があります。

ラブラドール・レトリーバーは人間に従順でとても忍耐強い性格のため、病気にかかっていたり痛みを感じていても、飼い主さんに悟られないように振る舞うことがあります。

そんな健気で可愛いラブラドール・レトリーバーのためにも、かかる可能性の高い病気や症状を知り、見逃さないようにしましょう。

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